翻刻
○極上水飴 百五十目
何(いづ)れも煉(ねり)様(やう)は右の求(ぎう)肥(び)の如(ごと)くにして煉(ねる)なり出(で)来(き)
あがりて紅(こう)白(はく)の二つにわけて紅(べに)を入たる鍋(なべ)は火(ひ)をおろ
しておかまぜに煉(ねる)なり是(これ)は菓子(くわし)屋(や)の口伝(くでん)なり紅
を入てから火(ひ)にかくれば紅(べに)の色(いろ)よろしからず心(こゝろ)得(え)
て煉(ねる)べし切(きり)溜(だめ)か重(ぢう)箱(ばこ)の類(るゐ)へとりてさまし一(いち)夜(や)置(おい)
てかたまりてより氷(こほり)おろしのとり粉(こ)にてとりて庖(はう)丁(ちやう)す
○遠(とほ)山(やま)餅(もち)
一 上/餡(あん)を包(つゝ)み求(ぎう)肥(ぴ)を皮(かは)にして米(よね)饅(まん)頭(ぢう)の形(なり)に拵(こしら)へ氷
おろしに挽(ひき)茶(ちや)を加(くは)へ青(あを)色(いろ)になして鶯(うくひす)餅(もち)のやうに
粉(こ)をつけるなり又/烏(う)羽(ば)玉(たま)は今(いま)さかの形(なり)に製(せい)して
白(しろ)きは氷おろしばかりつけるなり赤(あか)きは紅(べに)に和(くわ)し
たる氷おろしをつける煉(ねり)方(かた)は求(ぎう)肥(ひ)の條(でう)下(か)にくわし
くしるす見合せて製(せい)すべし
○饅(まん)頭(ぢう)皮(かは)製(せいし)方(かた)
外(ほか)の餅(もち)菓子(くわし)とはちがひ饅(まん)頭(ぢう)は皮(かは)の製(せい)し方(かた)面(めん)倒(だう)にして
手(て)軽(がる)く出(で)来(き)かたく餅(もち)屋(や)にても一の口伝(くでん)なり分(ぶん)量(りやう)の多(た)
少(せう)は製(せい)する時に寄(よる)物(もの)なれば素人(しろうと)衆(しゆう)の手(て)に出(で)来(き)安(やす)からし
めんと十が一の分(ぶん)量(りやう)にてしるす
○糀(かうじ) 一升《割書:もみほごしたる|分量なり》 《割書:○但し常(つね)の糀(かうじ)とは異(こと)なり饅(まん)頭(ぢう)糀(かうじ)| とて別(べつ)にあり》
○餅(もち)米(ごめ)極(ごく)上白にして 二升