翻刻
極(ごく)あつきうちにむくべし
○旭(あさひ)饅頭(まんぢう)
一 前(ぜん)條(でう)の如(ごと)く極(ごく)上(じやう)小(こ)麦(むぎ)の御(ご)膳(ぜん)粉(こ)を饅頭(まんぢう)の酒(さけ)にて
ゆるめる時(とき)生(しやう)臙(えん)脂(じ)をせんじ置(おき)右の所へ入て程(ほど)よく
色(いろ)を附(つけ)て蒸(むし)あげる製(せい)し方外にかはる事なし
○朧(おぼろ)饅頭(まんぢう)
○腰(こし)高(だか)饅頭
一 各々(おの〳〵)かたちの異(こと)なるのみにて餡(あん)を包(つゝ)み蒸(むし)方(かた)はやはり
同(どう)断(だん)なり朧(おぼろ)は熱(あつ)きうち皮(かは)をむくなり
○玉(たま)子(ご)饅頭
一 玉子と呼(よ)べども鶏卵(たまご)を入るにあらず玉子/形(なり)に拵(こしらへ)る故(ゆゑ)
なり御(ご)膳(ぜん)粉(こ)をとく時にねりずみ少々(せう〳〵)加(くは)へて薄(うす)黄(き)に
蒸(むし)あぐるなり其(その)他(た)吉(よし)野(の)饅頭(まんぢう)の條(でう)下(か)を見(み)合(あは)すべし
外にかはる事なし常(つね)の饅頭(まんぢう)は並(なみ)餡(あん)を包(つゝみ)てうどんの
粉(こ)をとりこにして直(すぐ)に蒸籠(せいらう)へ並(なら)べて蒸(むす)なり
○薯(じよ)蕷(よ)饅頭
一 極(ごく)上(しやう)の長(なが)芋(いも)の後(あと)先(さき)を去(さり)皮(かは)をむきて茹(ゆで)覆(こぼ)して
又/新(あらた)に水(みづ)を入てよく煮(に)崩(くづ)し簾(さる)にてすりつぶし
て水にかき立(たて)細(こま)かき水(すゐ)嚢(のう)にて漉(こし)布(ぬの)袋(ふくろ)に入(いれ)て赤(あ)
小豆(づき)の漉(こし)粉(こ)の如(ごと)く締(しめ)木(ぎ)にかけて絞(しぼ)るなり右しぼり