翻刻
にて柚(ゆづ)の青(あを)皮(かは)ばかりをすりおろして器(うつは)に入て
しばしの間も蓋(ふた)をなし置なり香(にほ)ひぬけざるやう
にして置(おき)扨(さて)氷砂糖の能(よく)煮(に)詰(つま)りたる中へ右のおろし
柚(ゆづ)を入/角(かく)天(てん)を漉(こし)込(こみ)能(よく)煉(ねり)て切(きり)溜(ため)の類(るゐ)へ流(なが)し団扇(うちは)
にてあふぎはやくさますべし薫(かを)りうせずして
早(はや)くかたうせんが為(ため)なり至(いたつ)て上(じやう)品(ひん)なるものなり
○鶏卵(たまご)羹(かん)
○氷砂糖 五百目 ○ 鶏卵(たまご) 八十斗
○白角天 一本半
大玉の鶏卵(たまご)八十/斗(ばか)りゆで白(しろ)身(み)を去(さり)黄(き)身(み)斗(ばかり)を篩(すゐ)
斗(のう)にて裏(うら)漉(こし)になして砂糖の能(よく)煮(に)詰(つま)りたる中へ段々(だん〳〵)
に入とくと煉(ねり)まぜ同じく角天を漉(こし)込(こみ)是も厚(あつ)紙(がみ)の
文(ぶん)庫(こ)を拵(こしら)へ其(その)中(なか)へ流(なが)す也/尤(もつとも)火(ひ)加(か)減(げん)に心(こゝろ)をつくべし
玉子はこげ安(やす)きものなり
○麦(むぎ)羊(よう)羹(かん)
○唐三盆砂糖 五百目 ○麦(むぎ)こがし 百八十匁
○白角天 一本半
何(いづ)れも砂糖の能(よく)煮(に)詰(つま)りたる程(ほど)を窺(うかゞ)ひて麦(むぎ)こ
がしを入て煉(ねり)あげ角天を漉(こし)込(こみ)是も塗(ぬり)ものへ
流(なが)すべし