翻刻
尤/新(しん)まへの麦(むぎ)をえらみ煎(いり)て直(すぐ)に石(いし)臼(うす)にて挽(ひけ)ば
別(べつ)して風(ふう)味(み)よし自(じ)分(ぶん)にて製(せい)するにしくは
なし併外(しかしながら)【乍ヵ】より買(かひ)求(もと)めたる品は手(て)前(まへ)にて今
一/度(ど)ふるひ直(なほ)して遣(つか)ふべし麦(むぎ)ののげ交(まじ)りて
はよろしからず
○八重(やへ)成(なり)羹(かん)
○唐三盆砂糖 九百目 ○八重成小豆 一升
○白角天 二本
角(かく)天(てん)二本に水四合を入て煮(に)崩(くづ)し置/例(れい)の如(ごと)く砂
糖を煮(に)詰(つめ)能(よき)所(ところ)へ八重成の漉(こし)粉(こ)を少(すこ)しづゝ入て煉(ねる)
なり尤(もつとも)此(この)八重(やへ)成(なり)は余(あま)りねり過(すぐ)ると粘(ねば)り強(つよ)くなる
ものゆゑ程(ほど)よく掻(かき)まはして角天を漉(こし)込(こみ)厚(あつ)紙(かみ)の
文(ぶん)庫(こ)へ流(なが)す事/前(まへ)の如(ごと)し
○胡(ご)麻(ま)羹(かん)
○極上/黒(くろ)胡(ご)麻(ま) 六百目 ○唐三盆砂糖 一貫目余
○白角天 二本半
極上の沈(しづみ)の胡(ご)麻(ま)《割書:水(みず)に浸(ひた)して下へしづむ実(み)入|能(よき)ものなりしづみといふ》水にて能(よく)
数(す)度(ど)洗(あら)ひ流(なが)し胡(ご)麻(ま)の塵(ちり)をえりのけ日(ひ)に乾(かわか)して火(ほ)色(いろ)
にかけてざつと煎(いり)薬研(やげん)にておろすもあれど油(あぶら)気(げ)に
しめりておりがたき時は雷盆(すりばち)にて少しづゝすり細(こまか)