翻刻
○薄(うす)曇(くもり)羹(かん)
是(これ)は白羊羹の種(たね)の中へ小倉(をぐら)野(の)にする大(だい)納言(なごん)
小豆(あづき)の丸(まる)粒(つぶ)を取(とり)分(わけ)砂糖を垂(たら)し置(おき)分(ぶん)量(りやう)能(よき)程(ほど)に
白羊羹の種(たね)の中へ入て煉(ねり)交(まぜ)て船(ふね)へ流(なが)すなり
一(いち)夜(や)もさまし置かたまりて切(きる)時(とき)は切口に丸
粒の小豆(あづき)出(いで)て鹿(か)の子(こ)の如(ごと)く至(いたつ)て雅(が)品(ひん)にして
風(ふう)味(み)も殊(こと)更(さら)よし
○琉(りう)球(きう)羹(かん)
○唐三盆砂糖 五百目 ○薩摩芋 六百目
○白角天 一本半
極上のさつま芋(いも)を撰(えら)びあと先(さき)を去(さり)中ばかりを
皮(かは)をむきて煮(に)崩(くづ)し篩(すゐ)斗(のう)にて裏(うら)漉(こし)にして水
に掻立(かきたて)木綿(もめん)袋(ぶくろ)に入て締(しめ)木(ぎ)にかけて絞(しぼ)る事/赤(あ)
小豆(づき)の仕(し)法(はふ)にかはる事なし例(れい)の如(ごと)く砂糖を
煮(に)詰(つめ)て能(よき)所へ漉(こし)粉(こ)分(ぶん)量(りやう)のさつま芋(いも)を入て角(かく)
天(てん)を漉(こし)込(こむ)事/同(どう)断(だん)なり尤/厚(あつ)紙(がみ)の文(ぶん)庫(こ)を拵(こしら)へて
流(なが)すなり芋(いも)の色(いろ)のみにては黄(き)色(いろ)うすし少々(せう〳〵)色(いろ)
を附(つけ)るなり
○栗(くり)羊(よう)羹(かん)
○唐三盆砂糖 五百目 ○栗(くり)粉(こ) 六百目