翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

目さまし草 - 翻刻

目さまし草 - ページ 21

ページ: 21

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画(えがき)たる六枚屏風(ろくまいびやうぶ)の人物(じんぶつ)の傍(わき)にある煙管(きせる)の図(づ)なりと《割書:摸図(うつし)下|に出す》   《割書:此(この)浮世又兵衛(うきよまたびやうへ)が父(ちゝ)は荒木(あらき)某(それ)といひて云々(しか〳〵)本名(ほんみやう)を改(あらた)めて母方(はゝかた)の苗字(みやうじ)を|名乗(なのり)岩佐(いはさ)と称(しよう)す成長(せいぢやう)の後(のち)信雄(のぶを)に仕(つか)へ浮世絵(うきよゑ)を画(ゑが)き出(いだ)し遂(つひ)に|妙手(みやうしう)となり名誉(めいよ)を得(ゑ)たり故(ゆゑ)に世上(せじやう)に浮世(うきよ)又兵衛とは呼(よ)べるとなり|但(たゞし)後(のち)の人(ひと)又兵衛が名(な)をみだりにあつるものありともきけば右の屏風(びやうぶ)の|絵(ゑ)の鑑定(めきゝ)にあるべし人の贈(おく)りしまゝを出(いだ)せり》 落穂集(おちほしふ)に曰(いはく)《割書:大道寺友山(だいだうじいうさん)寛(くわん)|文(ふん)のころの作(さく)なり》我等(われら)若年(じやくねん)の頃(ころ)或(ある)老人(らうじん)の物語(ものかたり)仕 侯(そろ)は たばこと申(まうす)ものは古来(こらい)《振り仮名:無_レ之|これなく》侯(そろ)処(ところ)天正年中(てんしやうねんちやう)南蛮人(なんはんじん)の入来(いりきた)りし 頃(ころ)より世(よ)に広(ひろ)まり初(はじ)まりしと申(まうす)なり然(しか)れば元来(ぐわんらい)南蛮国(なんばんこく)の土産(とさん)の 草抔(くさなど)にても《振り仮名:可_レ有_レ之|これあるべく》侯(そろ)哉(や)以前(いぜん)の儀(ぎ)は煙管抔(きせるなど)張(は)る細工人(さいくにん)もまれに 侯(そろ)故(ゆゑ)か直段等(ねだんたう)もむつかしく末(すへ)〳〵の者(もの)は求(もと)め申(まうす)儀(ぎ)も成兼(なりかね)侯(そろ)に付(つき)竹(たけ) の筒(つゝ)のあと先(さき)にふしをこめ大(おほい)に穴(あな)をあけ先(さき)の方(かた)を火皿(ひさら)に用(もち)ひてたばこを つぎ吸申(すひまうし)侯(そろ)となり其(その)もとは西国(さいこく)よりはやり出(いだ)し中国(ちゆうこく)五畿内(ごきない)まで も専(もは)らもてはやし侯得(そふらえ)共(とも)関東筋(くわんとうすぢ)に於(をい)ては煙草(たばこ)を給(たべ)侯(そろ)と申(まうす)義(ぎ)をば 誰(たれ)も存(ぞん)せす侯(そろ)所(ところ)にいつの程(ほど)にか段々(だん〳〵)とはやり出(だし)きせるを仕(つかまつ)る細工(さいく) 人なども多(おほ)く成(なり)侯(そろ)を以(もつ)て竹(たけ)の筒煙管(つゝきせる)など申物(まうすもの)もすたり侯(そろ)よし 件(くだん)の老人(らうじん)物語(ものかたり)仕(つかまつ)りたる事(こと)に侯(そろ)然(しか)ればたばこのはやり初めと申(まうす)は さのみ久敷(ひさしき)事(こと)の様(やう)には《振り仮名:不_レ被_レ存|ぞんじられず》侯(そろ)云云(しか〳〵) 静盧(せいろ)が蔵本(ざうほん)百物語(ひやくものかたり)巻之下(まきのげ)《割書:廿|九》ある人たばこをすけり此人のいはく たばこには十損(じふそん)ありとて十首(しふしう)の歌(うた)をよみながらひたのみにのまれける 其(その)歌(うた)にいはく云々《割書:一二三の字(じ)をかしらに取(と)りて|よみし歌(うた)なりこゝに略(りやく)す》其(その)第十首(だいしふしう)の歌(うた)に  十そんのありとはしりてのむからはたばこにまさるなぐさみはなし