翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

目さまし草 - 翻刻

目さまし草 - ページ 23

ページ: 23

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 《割書:末に于_レ時万治二暦初夏上旬松長◼◼【注】板とあり上之巻を見(み)ざれば作者(さくしや)の|名(な)知(し)るべからず大人(うし)八害(やつのいましめ)の論(ろん)に先(さき)たつて此歌(このうた)あり暗(あん)に合(がつ)するものならし》 芬盤(たばこぼん)といふものは《割書:ある説(せつ)に志野家(しのけ)の人 某(それ)の矦(こう)と|謀(はかり)て香具(かうぐ)をとりあはせたりといへり》香具(かうぐ)を取(とり)あはせて用(もち)ひし となり盆(ぼん)は即(すなは)ち香盆(かうぼん)火入(ひいれ)は香炉(かうろ)唾壺(はひふき)は炷燼壺(たきからいれ)煙包(たばこいれ)は銀葉匣(ぎんえふいれ)盆(ぼん)の前(まへ) に煙管(きせる)を二本おくは香箸(かうばし)のかはりなりとぞ後々(のち〳〵)にいたり今(いま)の 書院(しよゐむ)たばこ盆(ぼん)といふ様(いやう)の物(もの)出来(いできた)ると也 大人(うし)往年(むかし)長崎(ながさき)に遊学(ものまなび)給(たま) ひし時(とき)土俗(ところのものども)たばこ盆(ぼん)の事(こと)をかうぼんといひ老婦女(らうふぢよ)などは客(きやく) 来(きた)ればかうぼん持(もち)てわたいといふわたいとは渡(わた)れといふ事(こと)にて 持(も)て来(こい)のこゝろと聞(きこ)ゆかうぼんはたばこ盆(ぼん)を促呼(ちゞめよぶ)と覚(おぼ)ゆと 冷笑(あざわらひ)せしにかうぼんは即(すなは)ち香盆(かうぼん)にして昔(むかし)の辞(ことば)の西鄙(にしのかこゐなり)には今に 残(のこ)りしことゝ思 ̄ヒ知たり《割書:香盆(かうぼん)の事(こと)往年(むかし)間氏(はざまうぢ)に聞(きゝ)しも本説(ほんせつ)のごとし但 ̄シ煙包(たばこいれ)は香盒(かうぼん)或(あるひ)は香包(かうつゝみ)也外に長き|竹二本。先(さき)をそきたるを添(そ)ふこは香箸(かうはし)を転(てん)せしにてそぎたる所(ところ)へ煙(たばこ)をつぎて用ひしと也》 新見老人(しんみらうじん)むかし〳〵物語(ものかたり)に曰《割書:老人は享保年中八十歳|にて万治寛文の頃の事を記す》むかしは懐中(くわいちゆう)た ばこといふ事(こと)かつてなくてよしともあしきともていしゆの多葉粉(たばこ) 盆(ぼん)にあるたばこをのむなりのみやうも今とは違(ちが)ひて亭主(ていしゆう)坐敷(ざしき)へ 出(いづ)るまでのまず亭主(ていしゆう)物語(ものかたり)してたばこまいれとすゝむる客(きやく)はまづ 亭主(ていしゆう)よりまいれと盃茶(さかづきちや)のぢきのごとく二三 度(ど)いふ其時(そのとき)亭主(ていしゆう) はな紙(かみ)をへぎてきせるを取(とり)つばをはつしきせるを紙(かみ)にて 拭(のご)ひ是(これ)にて参(まゐ)れときせるをさし出す客(きやく)取(とり)ていたゞきのんで たばこよくはほむる一ふくも二ふくも吸(す)へば拭(のごひ)て我前(わがまへ)に置(おく) 帰(かへ)る時分(じぶん)はな紙にて拭(のこ)ひたばこ盆(ぼん)へ入れ暇乞(いとまこひ)してたつ拭(のご)ふ 時(とき)亭主(ていしゆう)其まゝさし置(をか)れよといふ近年(きんねん)たはこの吸(すひ)やう中々(なか〳〵)左様(さいやう)に 【注 「◼◼」は2字分の墨消し】