翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

目さまし草 - 翻刻

目さまし草 - ページ 33

ページ: 33

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注(つ)ぎ入れ此汁を棉(きれ)布に浸(ひた)して創(きず)を覆(をほ)へば日ならずして 全く治す尤創の内外を浄(きよ)らかにすべし 乾葉(かはけるは)も亦其功用少からず留飲(りういん)の諸症には其よく乾きたる 物を取りて細末となし香炉(かうろ)の内に於て焚(た)き其上に転注(じやうご)の ごときものを掩(おほ)ひ其 管(くだ)の所を病者のくちにつけて其けふりを 受く此のごとくすれば夥しく粘痰(ねんたん)宿水(しゆくすい)を吐出(はきいだ)して即ち愈ゆ 又水 腫(しゆ)を療するには前法の如くにして唯じやうごのごときものを 覆(おほは)ず病者口を開きて直に其煙を呑めば水気よく消(せう)するなり 子癇(しかん)の症此草を以て両 股(もゝ)横骨(わうこつ)の辺を薫(くすぶら)すれば其苦みを止む 乾葉(ほしは)を粗末(こな)となし火を点(てん)し鼻より嗅(か)ぐものを鼻煙(かぎたばこ)と名く 其功甚多し殊に能く脳髄(なうみそ)閉塞(とぢふさがる)を開き嚏(くさめ)を発して其 蓄(たくはふ)る所の瘀物(おぶつ)を瀉出(もら)すこれ故に感冒(ひきかぜ)頭風(づつう)等常に用ひ て速功(そくこう)を得るなり人々 盒子(ふたもの)に貯(たくは)へて常に備ふべし 又頭痛を治するには此草を嚙み一箇(いちぷく)の煙を吸ふ間にして其痛 を除く葉を杵き爛(たゞ)らし諸(もろ〳〵)腫瘍(はれもの)に貼(は)れば則よく膿熟(うま)す 緑葉(あをは)を取り蒸露缶(らんびき)にて蒸して其 露水(つゆ)をとりこれを 硝子罎(ふらすこ)の内に貯へ置金瘡或は腫瘍(はれもの)あるひは冬月 跟(かゝと)腫(はれ)爪(つま) 甲指(きし)腫(はれ)るものに此油を棉布(きれ)に浸し患処を覆へば忽ち 愈ゆるなり又此物を取りて膏薬に製すれば其功前に 説く所の生汁一味を用るものよりははるかに勝(まさ)れり今