翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

目さまし草 - 翻刻

目さまし草 - ページ 35

ページ: 35

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 「い」印は鉄或は銅にて阿蘭陀 煙管(きせる)の大火頭(おほがんくび)のごとくつくる  其内に刻たばこを盛(も)り火を点す《割書:辛(からく)して強き|たばこをよしとす》「に」印はその  火皿の底に接(せつ)する革(かは)にて作れるたわむべき長筒なり「ろ」印  の象牙(ぞうげ)の小管(こくだ)に接(せつ)す即此 牙管(ぞうげのくだ)を肛門にさし入れ上の  「は」印の火さらにつけし小管より煙を吹こむなり其吹  かたは先一ぺん吹入れ二度目はけふりを多く含み一いき  に強く吹こむなりしばしありても腹鳴(はらなり)吐水(みづをはく)の容子なき  時は又右のごとく吹こみ其効を見るに至るべし 又 喘息病(ぜんそくびやう)に煙草青葉 修合(あはせかた)の一良法あり毎にこれを試るに 極めて効ありこゝには略せり  《割書:此等の訳説皆生草或は乾葉を取りて内服外用して功を試みたるの方法なり|これは常用の薫煙(すひたばこ)の外の事にして和漢のいまだ試み知らざる所なり今此 新試(はじめてこゝろむる)の|訳説(わげ)を見るときは人々日夜の薫灼(くんしやく)をなすは尤心を用ふべきことなりさて此草本来の|主療(こうのう)を詳に弁し医俗を論せず自ら試みて其功用を逞(たくまし)うせば無益の異艸とも|云べからず殊に今に至りては世に夥しく有触るゝものにて諸国の村里にありては得や|すく且なしやすき便法(べんはう)なり又前法の外にも彼国嗣出の薬局(やくきよく)方書中に数々の|方法も見ゆれば志ある人は尋求てよ》    唐土吃煙(もろこしすひたばこ)の功能 煙草の味は辛く気は温にして性は毒ありこれを吃(のめ)は寒と温と より発(おこ)る痺(しびれ)を治し胸中の痞隔(つかえ)と痰の塞(ふさが)りを消(せう)し経絡(けいらく)の結(けつ) 滞(たい)をひらく其専らなる功は四ッあり一ッには醒(さむ)れば能これを酔しむ これはその火気 薫蒸(くんしよう)して表裏(へうり)皆 通徹(つうてつ)し酒をのめる如くなれば なり二ッには酔はよく是を醒すこれは酒後に啜(すへ)ば気を寛(ゆるく)し痰を 【「 」は、▢で囲まれた字。前コマ図中にあり】