翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

目さまし草 - 翻刻

目さまし草 - ページ 37

ページ: 37

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のり馬に騎(の)り行く人風雨霜雪の中を往来するものは少し 用ひても其功は至て速(すみやか)なるものにしてこれより便なるはなし 故にこれを喜(この)むもの至て多くなりたり凡病あるものに 用ふればかく熱毒あるものとはいへども能病に当たるなり 膿窠疥虫(むしをいたすはれもの)を洗ひて妙なり此物世人 終身(いつしやう)用ふることを厭(いと)はず いとへばかへつて病来る嗜(この)めば病 愈(いゆ)といふ 明(みん)の時(とき)滇(てん)といふ地を征伐(せいばつ)し深入りして瘴地に入りしに 軍士皆病に染みたり其中にて一ッの陣営(ぢんや)中のみ其患な かりきこれは絶えず煙を吸ひし故なりこれをきゝて扨は 此物 瘴気(しやうき)を免るゝものなりとて徧く遠近に伝へて人毎に これを服する事になれりおもふにこれは寒湿陰邪と穢気(ゑき) を避(さ)け虫を殺す功あればなり又汁に搗(つ)き用ふれば頭虱(かしらのしらみ)を除 くべし其性純陽なるものにて能 行(めぐ)らし能 散(ちら)す功あり  《割書:右漢人の主治諸説は皆 験(こゝろ)み知る所にして疑ひなし寒国 瘴地(しやうち)の人|又其地に行(ゆく)役人尤 航海(ふなわたり)の人等は闕くべからざる要品なるべし》    和漢煙毒を解す方 梹榔 煙毒を解す 又 泥漿(どろみづ)を用て薬に和し用るも可なり 砂糖 此毒を解す 又麦門冬 知母 山枝 花粉 黄芩 蘇木 甘草 爪蔞仁 枇杷葉 右九味煎して渣(かす)を去り沙糖一両を和し服す 向井震軒曰煙草を多服して眩暈(けんうん)頭痛 悪心(むねわるく)するものは味噌汁を