翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

目さまし草 - 翻刻

目さまし草 - ページ 38

ページ: 38

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飲んで即愈ゆ急に汁なきときは焼味噌を食ふも亦よし煙管(らう)に脂の 塞(ふさが)るものは味噌汁を以てとほせば能通ずこれらにても其解毒たる 事を知るべし又脂の衣服を汚すも味噌の熱汁(あつしる)をそゝげば即ち浄し 此余の諸方法のあること正編に詳なれども我邦にては味噌汁を飲んで これを解すること極めて妙法なれば他これにまされるものあるまじきなり    禁忌《割書:以下の漢説皆 薫煙(すひたばこ)の |習俗(ならはし)をいましめしなり》 陰虚(いんきよ)吐血(とけつ)肺燥(はいさう)労瘵(らうさい)の人みだりに用ることなれ偶(たま〳〵)これをのむこと あれば其気 閉悶(へいもん)昏憒(こんくわい)死せるものゝごとし善物(よきもの)にあらざる事 知るべきなり陰虚(いんきよ)不足(ふそく)の人には宜しからざる所以(ゆゑ)なり  《割書:按するにこれはのみて其性に合はずといふ人にして右にいふ陰虚不足等の|人にやあらん扨後には甚だ嗜む人にてものみ習ひのはじめは昏憒(くら〳〵)するもの》  《割書:甚多し又初め右の変を覚えたるも一体其性にあへばつひにのみ馴れて|口に絶(たゝ)さるにも至るしかれば其性にあへば各別の害もなき事にや各好んで|のむといへども人々によりて多少はあるなりしかるときは専ら内に得ると得ざるとの|差別あるべし又婦女子は男子より多服せぬなりされども田舎の婦女はこれと異なり》 医意商(いいしやう)といふ書には平人にして酷(はなは)だこれを好ことを深く戒 めて尽せり但しこれを用ること既に少くして功(こう)微(び)なり毒も 又微なり云云其教深切なりといふべし  《割書:此余和漢の諸書皆 過服(のみすご)して人に益なき事を説けり其説大同小|異なれば正編にゆつりてこゝには其簡要なる事のみを載つ》 和蘭諸書(おらんだのしよしよに)曰 煙(たばこ)を吸へば或は酔て睡眠(ねふり)をなすなり又 頭脳(かしら)を 攪動(さわかし)てこれが為(ため)に精神 錯乱(さくらん)すこれは此草の熱性(ねつせい)甚しき 故なり又多くこれを服すれば気力を減耗(へら)す 又口より吸ひ鼻より薫するも多きに過れば頭脳を攪擾(さわか)し