翻刻
こひ奉りて貢物をさけとひまろの数をも定めさせ給ひて
よときことえ上けるよしいひ伝へぬしかるに今の世にいたりて
天 ̄ノ下の五のたなつものゝ外にとりては此くさ程益あるはなし
とかけにいつれの国にても是を用ひぬ人はなくわきて北東の
いとも遥に遠き島々はいたくさえこほりぬれはこれを
すひて其身を養へるくのうおほしとなん又こゝの国の人々の
腹にもあひ労れをも忘れ憂をもなくさむる徳あれはつひに
やむへくもあらす年々此なりはひの栄行事にこそさて
おのか世になりて公に貢物をさゝけたきよしこひ奉りしに頓に
御許ありてやかてとひまろの数をも定めさせたまひつ今は
いはゆるかぶの主といへるものになりたるはいとも有かたき
御恵になんありたるしかれともおのれらこの物のかけに
かくろひてめこをもやすくやしなひなからかく伝へひろこれる
よしとまた其功と害との有事はつはらにしらさりしを
磐水大人のえんろくといふ書には其故よしをいとねもこ
ろに記されたりおのれよみておもへらくあはれ是をかな
文字にして世のわらはべをみち■【注】にも知らせてしかりと
思はれしに又それにもとつきて大人にものまれへるともからのつく
【8コマ目の「わらはべ(幼童)をみなご(女子)」と推測】