翻刻
とふろくといふ酒の何心もなきを能程に
入て一泡煮て心みて生酒塩をさして
可参こせう不入候へは悪者也うかゝひてま
いらすへし心安参会には必可入候也又煮
出しの昆布を細く切て下に敷てまいら
する事是は鱈のすくなきに当時の事也
今も御前へは参へからす此昆布は煮出し
とて包丁人の食物也何も調様可有
口伝者也
一○ 料理の物魚鳥によらす人数定たる
者也魚鳥はすくなく候に水味噌なと
を多とり入るによりて必あちはひ悪者也
一○ 鯉の汁は骨頭ひれの置やうなへのうち
鯛のしるの調様と同前又私に用時は
なへの内鱈の汁と同前御出なとに御
本走の時は塩にうすたれをさして
可然也惣別は味噌こく能こして煮也
くたけぬ程に能煮て心みて生酒しほ