翻刻!料理本の世界

コレクション: コレクション 1

生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 157

ページ: 157

翻刻

【右丁】 とあるこれぞまことに天地自然の飲食のはじめなるべし 人の世となりて一日片時もなくてかなはざるものは飲食也 代々之君この礼を重んじ官をたて司をまうけ斯道を司ら しめあぢはひを分ち命をやしなはしむいかんぞ口腹のこ のむまゝなるのみならんやもろこしの易牙は淄水澠水の まじはりあへるを分ち知りたりといふさもなくてはかな はぬ事なりもろこしの事はさておき人皇十二代景行天皇 淡の水門を渡り給ふ時海中に於て大なる白蛤を得給へり 磐鹿六雁といふ人がまを以てたすきになしこれを膾に作 りて帝に奉りけるより膳大伴部を賜ふ雄略天皇之御宇に は長野といふ人庖丁之道に精通せしとなん清和、陽成、光孝 【左丁】 之御時我祖中納言政朝斯道に於て当時其右に出るものなし ある日 勅命によつて庖丁式、五魚、三鳥、饗食膳の法、諸礼式 を定む堀川院之御時左京大夫顕輔庖丁之道に心ざしあつ くして終に其術に長じ給ひしを時のみかどきこしめし叡 覧ましませし事たび〳〵ありしとなん順徳、後堀川之御時に 当て参議基氏も斯道を好み給ひ其漸のくはしからんをねが ひて一百日之間鯉を庖丁ありしなりこれかれ皆我祖中納 言政朝之流を汲み給ひしとぞこのあとやさきに庖丁之道 を学びし人はあまたあれどもこゝにこれを略すそも〳〵庖 丁家といふは高橋、大隅、生間之三流を以て本とす高橋、大隅、 二家之事はさておき生間流と云は第一巻生間家歴代略譜