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生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 159

ページ: 159

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【右丁】 之階級あるを知らずして刀を取り魚鳥を切るものを料理 人と同一視しこれがせんさくをなさず杜撰にかゝげし書 ありこれによりて世人も同様に心得しものありこれらは 門外漢の知る所にあらざるゆへ深くとがめず元来庖丁人 は庖丁式、礼法、庖厨之規矩、塩梅之事を司どり板元、料理人之 泰斗となりて教授す故にむかしより料理人は板元に隷属 し板元は庖丁人之教を受けて調膳之事を司どるものなり 庖丁人之事は古より貴顕之人々これを学び又此道を掌ど り叡覧にそなへられし事たび〳〵これあれども料理人之わ ざを叡覧あらせられし事は我朝に於て未だこれあるを聞 ずこれを以て庖丁人と料理人との階級に大差ある事は火 【左丁】 を見るよりも明なり庖丁人は世に多くあらざるゆへ板元、 庖丁人之事を学びてこれを兼ぬ料理人は板元に学びて庖 丁人之まねをなすこれより庖丁人と料理人との階級をみ だしたるゆへ門外漢之同一視するもむりならぬ事也甚し きに至りては庖はくりやと読て台所之事也丁は仕丁之丁 之字にてめしつかひ之事也台所之めしつかひといふ事な りなどゝ得たりがほにいひたるものあれどもこれは文字 になづみたる牽強附会之説にて取にたらず庖丁と云事は しさい侍【伝ヵ】ることにて門外漢之知る所にあらず口伝       庖丁刀之事 魚鳥を切る刀を庖丁と云は誤なり庖丁刀といふべしされ