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生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 165

ページ: 165

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【右丁】 上天下界之事定まりし時天照太神へ鯉をかざしのもに包 みてたてまつりしを太神大によろこび給ひたゝちにこれ を切せ給ひきこし食され祝ひ給ひし事ありこれぞ我朝に 於て鯉を切るはじめなるべし其時切ならべ給ふかたち及 び俎、刀、筋之次第は我家之大秘口伝なるゆへ記さず今用ゆ る俎などのかたちは神武天皇之御宇よりこのかたあらた められしものにて仔細侍【伝ヵ】る事なり《割書:大秘|  々々》 鯉と云文字は魚へんに里とかきてこいとよむ鯉之鱗の数 すがたの大小にかゝはらず一のひれのきはより尾づゝ迄 に三十六あり三十六丁を一里と云よつて魚へんに里とか きて鯉とよみ侍るものなり三十六は陰数なり外陰にして 【左丁】 内に陽気を包み陰陽相交り万物之首元たる象あり其性は 隠潜鋭進龍之如く時としては深淵にひそみ時としては瀧 をさかのぼり君子之徳をそなへ大海之源にすむ故に諸魚 之王とす登龍門とは鯉の事をいふなりむかし孔子之子生 れし時魯之君より鯉をおくられけれは孔子は君のたまも のをよみして其子を鯉と名づけ字を伯魚といふ誠にめで たき魚にして其容其味ともに美なるゆへ祝儀之時はかな らず用ゆ庖丁をなすに要文あり切る時は一の刀を右より あつるもの也他の川魚を庖丁なすも鯉之如く一の刀を右 よりあてそむべし《割書:大秘|》 鯉を切る時は其座の体其庭之体によつて心づかひあるべ