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生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 166

ページ: 166

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【右丁】 し其座其庭之体によつて江南府鯉を切るべし又赬鯉を切 る事もありこれには釈尊之故事あり我家之秘事なり花を 立たる座敷にての心づかひは花によつてなすべし同じ桜 之花にても八重桜と一重桜とによつて切たる鯉之頭をた つかしらに置くと其まゝなりに置くとの別あり梅之花に も紅梅と白梅との別によつて雪朝鯉を切ると尾立鯉を切 るとの別あり松を立たる処にては松によつて祝言鯉、松の 鯉を切る菊の時は長命鯉、石畳鯉などを切るべしこれら之 事はすべて口伝なれどもいさゝかこゝに記す此余之事は 口伝を得て知るべし 新室之所にて庖丁をなす時は移徒鯉【注】を切るべし庖丁人其 【左丁】 座に幾人居るとも一人移徒【注】の鯉を切りたらばたとへ切形 かはるとも其所にて再び移徒【注】鯉を切るべからずこの時之 俎之すへ様移徒【注】之心づかひ之事は口伝あり 船中にて庖丁所望あらば板に船中鯉鯛にても切りて出す べし口伝あり刀をかへす事はいむなり 蹴鞠之時庖丁をなすには懸の鯉を切るべし蹴鞠之事は賀 茂、飛鳥井之秘伝なるゆへ委しく記さず庖丁に付ての事は やむなくいさゝか爰に記す蹴鞠に祝言の鞠、調伏の鞠あり 懸鯉を切るにも其心得■【有ヵ】べし懸四本の中に俎を置て庖丁 をなす時祭事ありこの祭事は賀茂、飛鳥井の口伝事なるゆ へ此方は知らず我家之伝書に四本の懸の木は鞠の明神之 【注 「移徒」は「移徙」ヵ】