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生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 172

ページ: 172

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【右丁】  座上に美なるものを設けけるか今缺ものは松江の鱸魚  なりといひけれは左元放といふ仙人術を以て銅盆に水  を入れ座中にて鱸魚を盆より釣り出して興をそへたり  東坡は巨口細鱗の魚を得て赤壁に遊ぶ此魚色白くあざ  ちけきゆへに銀魚と名く鱸魚について異朝之故事多あ  れども略す我朝にても平家繁昌せんしるしにや清盛が  舟中へ鱸魚飛入たる事ありこれは熊野権現の御利生と  申伝へ侍る       鱸之庖丁極秘切形之名称  四季鱸  諸身鱸  陰陽鱸  川 鱸  早川鱸  海 鱸 【左丁】 右之内に皆伝之ものにあらざれば許さゞるものあり       鰈 かれひといふ魚は半面魚之事なりもろこしにて呉之国と 越之国と合戦ありし時合戦の半に呉之国の王闔廬半面魚 を取り生なる魚之右の肉をそぎて食し曰く合戦之勝利を 守れと其侭海中に投ず其後越之国の王勾践も又半面魚を 取りて生なる魚の左の肉をそぎて食し同様にいひて同じ くこれを海に投ず呉越之国之王之食あましたる魚なれば とて王余魚と云この魚之うらは人に見せまゐらさぬもの なりとて今之代に至るまで人前をはゞかるなれども爰に 口伝あり左之肉をそぎたる魚は腹之方外面になるゆへ外