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【右丁】
雉は神代より仔細伝る鳥也神代之巻に高皇産霊尊(タカミムスヒノミコト)葦原の
中津国へ天稚彦(アマノワカヒコ)を遣されけるに久しく帰り参らざるゆへ
無名の雄雉(オキジ)を遣しこれをうかゞはしむるに雄雉かへらず
故にまた無名の雌雉(メキジ)を遣さる雌雉天稚彦のために射られ
其矢に中りたるまゝ帰り報じ奉ると云事あり」雉飛ぶ事矢
の如し故に矢へんにふるとりを書といふ
雉は山の鳥之王なり本なり山神之つかひもの也山神の雉
と現はれ給ふ事ありといふ雉之中に金鳥といふものあり
又八重羽の雉といふものもありいつれも頭に紅冠をいた
だき身に五色の文彩を備へ尾は恰も裾をよそふに似たり
距ありてよく闘ひ天地之震動に応じて声を発す人の衣裳
【左丁】
のもんに雉をぬいゑがく事は人之文章あるにかたどる也
雌雄契【注】り深くして多く子をうむ故に婚礼之床飾に専らこ
れを用ゆ雉は周礼にも六禽之一にをれり此鳥のかたちは
鳳凰といふ鳥に相似たりと云鳳凰は聖人之代にあらざれ
ば出ず帝の服車に鳳凰をかざり后の服車に雉を飾る此鳥
は文武之徳を兼手【年ヵ】天理にたがはざる名禽なるがゆへなり
雉之故事多くあれども略す
雉之庖丁には大秘口伝多し庖丁をなす時、刀筋之あつかひ
よろしからざれば子孫迄崇【祟の誤ヵ】をなすと古より申伝ふるなり
雉之庖丁極秘切形之名称
式祝鳥 移徒【徙の誤ヵ】鳥 四季鳥 元服鳥 陰陽鳥
【注 「契」は「大」が「廾」】