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【右丁】
添肴之事
添肴とは羹類。麺類のみにては酒の肴にならざるゆへ肴を
そへて出すゆへ添肴といふなりこの肴を膳に一ツに組付る
もあり又膳之脇へ据る事もあるなり膳之脇へ据る時は別
之台にのせて出すべし
山椒焼塩之事
山椒。焼塩などを少し膳につけて出すは山椒は本草経にあ
ることく効能ありて諸毒を消すもの也塩はむせびを即座に
止るもの也故にこの二品は必ず食膳に用ゆるもの也
かいしき之事
かいしきには南天の葉其他食物人身ともに害なき草木の
【左丁】
葉を撰び用ゆべし上古はほう又は檞葉を用ゐ酒なども檞
葉にて飲みしものなり檞葉を用ゐし事は異朝ヘ迄も聞へ
し事にて北史といふ書に日本上古之風俗を記したる所に
俗 ̄ニ無_二盤俎_一籍(シク) ̄ニ以_二檞葉 ̄ヲ_一」とあり古は多くかな字を用ゐしより本
字あれども其本字なきものと心得古の職外学者むりに改
敷或は搔敷などの音の通ずる文字をあてはめ書しより後
世のもの皆これにならひ世人をして其あて字なるを知ら
ざらしむるに至る其あて字のおこりしは久遠なれどもこ
れをたゞすものなきよりあて字を書ざれば俗人に通ぜざ
るゆへ其職にあるものも又其あて字をかくたま〳〵後世之
学者不審に思へども職にあるものゝ書く事ゆへともに又