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生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 203

ページ: 203

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【右丁】 にあらず譬ば和歌之風体さま〴〵あれども三十一字をはづ れ三十三字になせば言葉たくみにして品ありといへども 和歌にならず和歌を詠ずるに先づ題を定むるとひとしく 先づ器を定めざるべからず老人小児之食物は猶一層注意 し主人之好む物といへども其職にあるものゝ心遣肝要な るべし       馳走之事 山海之珍味其器に満て取合多きとて馳走とは言難し一尾 之小鱗一もと之野菜といヘども心ばせを誠にしてよく調 ヘ礼を重んじ親みを専にしたる時は山海之珍味もいかで かこれにしかんや北條時頼平宣時を招請ありし時自身に 【左丁】 銚子を持出肴こそなけれとて棚に有ける器に味噌の入り たるを見出してまゐらせられしかば時頼之心ばせ誠ある事 をかんじ給ひ数献に及び興に入り甚喜悦ありしとなん又 食饗之礼は賓客に仁をなすべしと孔子も仰置れし事あり これらの事は意味深き事也料理の品にかゝはらず主人礼を 重んじ調味之事にも心をはせもてなすを馳走と云也馳走 之文字になずみ主人珍物を買にはしり廻り料理之事にも 奔走するを馳走などゝいふ説あれども取に足らず笑ふべ き事なり       献立之事 人之作たる献立たりとも非難すべからずこれを非難する