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【右丁】
塩梅といふは古酒と水と魚にあてたる塩とにて吸物かげ
んにするもの也心得置くべし
潮煮
鯛 鱸
鯛にても鱸にてもそれ〳〵にきどり一塩してしばらく置き
水にて能洗ひ煮出し籠へ入れ煮湯をさつとかけ下地の煮へ
立し所へ直に入るべし湯をかける事は下地のにごらざる
ため也又水より入て煮ることもある也是は船中にて鯛を釣
り取あへず海水にて塩梅する仕方なり往古の海塩鯛と云
も右の如く鯛に塩とあて水にて能洗ひ直に水より魚を入
れ塩梅して二ふきほど煮。上にあわ立ち白水の如くになり
【左丁】
たる時火を引けば澄み魚之風味も出る也泡はすくい取べ
し白魚のすまし鰺のすましなども同断なり潮煮といへば
少し醤油を指し海水之色に見へる様になし清汁のかげん
にならざる様に心得あるべしこの塩かげんは大事なり惣
じて魚は煮すぎざる様になすべし生煮は猶あしゝ
一こん煮
小鮒を一ッ丸のまゝ味噌汁にて煮たるをいふ
精進煮物一種
盃に一杯の葛の粉と二杯の砂糖とに水を小茶碗に一杯余見
合し右を薄手之鉢へ入置き午房。人参其外何にてもせんに
切り酢醤油を煮立さつと味を付右之中へ入れかき廻し煮