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【右丁】
炙物なき時は膳部出続て魚でんか大蒲鉾を台にのせ引こ
れを引物といふ也当今は台引と云て中酒出て後台にて肴
を引これは酒の肴也引物は本炙物なるゆへ亭主の引たる
が弛走也引物の時は魚でんに串は刺べからず肴の時は小
串を刺たるがよし本二三と膳出る時は切炙物を本膳につ
け向誥【詰】を本膳の向へ別に台にのせ出すものなり
炙鳥之事
雲雀の焼たるにはかけ爪を鴫の焼たるには嘴を上に置く
べし雉。はんは別足鶴はしべを用ゆ鶉の焼たるには両羽を
ひろげ敷べし右之外炙鳥になるべき品多くこれあれども
皆常のことし
【左丁】
鴫壼焼といふものありこれは鴫にあらず焼茄子の上に
枝にて鴫の頭の形を作りたるものをいふ也
梅の香炙及梅炙
小串物を薄塩炙にして其上へ梅之花を摺つぶし醤油にて
解きたるをぬりさつと火取るこれを梅の香炙と云梅干の
肉をぬり炙たるを梅炙と云又鯛の摺身を青梅の大《割書:サ》に丸め
串にさし青海苔の粉を衣にしてあぶり梅の枝にさしたる
をも梅炙と云添肴などに用ゆ
たち花焼。枇杷焼なども梅炙の如しこれらは黄色に染めた
るがよし
りやうざし