← 前のページ
ページ 42 / 282
次のページ →
翻刻
【右丁】
計両方之桶へ分て左廻り右廻りに積み入れるべし口伝
出貝といふは男貝。地貝といふは女貝之事なり
蛤の貝は正しきものにて濫に他の貝と合ず女も一度婚
礼すれば二度とせぬものといふいましめの為に用ゐ。う
はおきにすると云うはおきとは諸道具之第一に置くと
いふ事也これは古き詞也はまぐりの事に付古実あれど
も極秘たるにより記さず
中啓一名末広と云又かうもりともいふ蝙蝠之羽を見て
作りはじめしゆへなり
長刀請取渡之事
力者に長刀を持せ侍分之者一人付添ひ行列に立ち請取渡
【左丁】
之場にて双方一礼し跡之方へ目遣ひする時力者長刀を持来
り刃之方を我が右になし石突之方を上へ取直し請取やす
き様にして出を左之手にて上をとり右にて下をとり刃の
方を我が左へなし請取也庭上にては片手に持ながら一礼
して請取渡をなすべし請取たれは直に聟方之力者へ渡す
力者これを勝手より奥之女中へ渡す女中請取仮粧之間の
床へ刃を下にしてもたせかけ置也この請取渡も輿入之後
の事なりこの長刀には紫色の袋。紐は用ゐざるがよし
守刀請取渡之事
是は召輿之左右に持せ給ふもの也貝桶請取渡し相済み輿
入之後直に渡す人。請取人互に一礼して請取渡をなす脇指