← 前のページ
ページ 43 / 282
次のページ →
翻刻
【右丁】
も同様にすべし
召替輿請取渡之事 《割書:付天兒及傍公之事|》
常のことく飾るべし是をあひ輿とも云この輿之内は召輿同
様に取繕ひ御守及守刀を入れしとねを敷。傍公を乗せ召輿
之先へ列に立也請取渡は姫君御入輿迄に輿台へかき据の
り方之戸を開き無言にてそれ〳〵に渡す請取人も無言にて
平に一礼して進み寄り請取也請取に習ひあり傍公はしと
ねにのせたるまゝにて渡すべし請取人も其侭請取奥の女
中へ渡す女中これを年寄へ渡す年寄請取仮粧之間の床へ
飾り置く輿は其侭勝手へかき入れるべし当今は公武とも
に天兒を用ゐらるゝ事になれりさもあるべき事也傍公
【左丁】
を御伽這子といふ説あれども此時之傍公には口伝ある也
天兒之事も秘事なり猥にさたあるべからず天兒。這子何
れにても装束は姫君同様にすべし色直しも同様になすべ
し只婚礼之時のみならず祝日常式にても装束は姫君同様
になすべし
天兒を用ゆる事は天祖のいにしへより今に至る迄これ
を用ゆこれは身之災難を祓もの也又之を撫物とも云祓
之法を天兒之頭へ入れ這子之如く下地を作り其上へ練
衣をきせ顔ゑりなどへ老の波をよせ命之長さかたちを
あらはし髪を彩墨にて書べし耳のかたちはあらず手之
如く横に木を付。練にて包み其端を赤き紙にて張るべし