翻刻
【右丁】
ものあり此道の名家といふへし今世移り事変り旧例古式
の或は滅ひんとするに当り能く此書をつくりその事を後
世に伝へんとす唯に生間氏の為めのみならす此式の幸といふ
へきなり余固より其事を解せす礼式の精粗記事の当
否にいたりては知るところにあらねと特に正起の心を其業に
用ゐ以て此編を成したるを嘉みし為に一言を巻首に
加ふとしかいふ
明治三十四年四月
京都府知事従四位勲三等高崎親章
【左丁】
序
近ごろ古法古式を専ら捜索せらるゝ人は某
に月にあいますと雖も聊其緒ぐちを探り
得れば忽ち其奥義を得たる如く思ひな
す人多し甚しきは直に営利之種となしこ
れを梓にゑり世に公にして己が心に愧ず後世
をも畏れずこれは古法也これは古式也といひ
てみだりに世人を瞞着し後世をあやまるも
の少からずもしこれをしも此侭に捨置なば