翻刻
【右丁】
もよし是/笑(よば)すに及(およ)ばす焚法(たくほふ)にて大徳用(たいとくよう)なり
○又/焚(たき)やう
とろゝ汁(じる)醤油(しやうゆ)の出(だ)し汁(じる)等(とう)にて食(しよく)するには。右の焚様(たきやう)
と同(おな)じく洗米(あらひごめ)と笑(よば)し麦(むぎ)の洗(あら)ひたるを釜(かま)へ入■。右たき
やうよりも一倍(いちばい)も水を多(おほ)く入て焚(たき)。吹上(ふきあが)りたるとき釜(かま)の
真中(まんなか)にて飯(めし)を押(おし)わけ。うどんそばなとに湯(ゆ)を通(とふ)す竹(たけ)
かごを押込(おしこめ)ばその籠(かご)の中に湯計(ゆばかり)たまるを小柄杓(こびしやく)を
もつてくみとり尽(つく)し。籠を引とり元(もと)のことく杓子(しやくし)にてな
らし。蓋(ふた)をして細火(ほそび)にて焚(たき)あげ暫(しばら)く熟(むま)しうつすべし
【右丁左下枠外】天保十二
【左丁】
右 吹(ふき)あがりたる時火は半分(はんぶん)に減(げん)じたくべし。此/湯(ゆ)をくみ
とり尽(つく)したるとき薪(たきゞ)はちよろ〳〵に燃(もや)しすくに引(ひき)。燠(おき)
ばかりにしてしばらく熟(むま)しおくなり。右のことく湯(ゆ)をくみ
とる事なれは常(つね)たく水かげんより倍(はい)多(おほ)く入てよし。《振り仮名:ケ様|かやう》に
して焚(たき)たる麦飯(むぎめし)はいたつて軽(かる)く。少(すこ)しもねはりけなけれ
ば。かけ汁(しる)又はとろゝにて食(しよく)するには妙々(みやう〳〵)なり
○麦(むぎ)の挽割飯(ひきわりめし)は皆(みな)人よくしる所(ところ)なれば爰(こゝ)に不記(しるさず)
○夏(なつ)飯(めし)の腐(くさら)ざる焚法(たきやう)
夏秋(なつあき)は何国(いづく)にてもよく飯(めし)のくさる物なり。畿内(きない)西国(さいこく)