翻刻
【右丁】
○大根粥(たいこんがゆ)
大根(だいこん)がゆは白(しら)かゆの米を洗(あらふ)ごとくざつとあらひ水を
多(おほ)く入/焚(たき)て吹(ふき)あがらんとする時右/飯(めし)に入れたることく
きざみたる大根(だいこ)を入/塩(しほ)を少(すこ)し入しらかゆの火加(ひか)
減(げん)に焚(たき)あげ暫(しはら)く熟(むま)し醤油(しやうゆ)のかけ汁(しる)にて食(しよく)
すべし至(いたつ)て美味(びみ)なり○又/塩(しほ)を程(ほど)よく入かけ汁(しる)
なしに食(しよく)してもよし。又は味噌(みそ)を入/雑吸(そうすい)にして
もよし。又/醤油(しやうゆ)をすぐに入てもよし。《振り仮名:ケ様|かやう》にして食(しよく)
すれば米をげんじ助(たすけ)となるなり
【右丁左下枠外】天保 五
【左丁】
○越前国大根飯(ゑちせんのくにだいこんめし)
越前(ゑちぜん)の国にて焚(たく)大根飯は先(まづ)大根(たいこん)を細(こまか)に賽(さい)に
切(きり)鍋(なべ)の底(そこ)に敷(しき)其上にあらひたる米を入/水(みづ)を仕(し)
かけ其上(そのうへ)に笑(よば)したる麦(むぎ)を入/塩(しほ)をもいれ麦飯を
焚(たく)とふりにたきあげかきまぜて食(しよく)するなり尤(もつとも)大
根(こん)を下(した)にしきたる事ゆへこげ付事あり。さるにより
吹(ふく)じふんに杓(しやく)の柄(え)菜箸(さいばし)なとにて簀(す)をつくなり
○大根葉飯(たいこんばめし)
大根(たいこ)の葉(は)を蔭干(かげほし)にして置(おき)枯葉(かれは)をよりすて茹(ゆで)