翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 18

ページ: 18

翻刻

ながら。御 薬(くすり)のあまりにからく候故。先さしやすめ 候と。野(の)がへりさすりて申ける。木斎(ほくさい)聞(きい)てあらふしきや さのみにからき剤(ざい)にてなし。おほつかなしと申ける。親仁(おやぢ) かさねて申やう。御薬こそはからく侍らずともしやう がゝ多く入候/故(ゆへ)かと謹而(つゝしんて)申木斎きかれて。一へぎの しやうがゝ何とて左程(さやう)にからからん。何程(なにほど)のへぎぞや見(み) せ給へと有し時([と]き)。七寸四方のとちへぎに。しやうがを 一へんに置(おき)ならべ。此へぎに如_レ此一へぎ入て候也。さて 又せんじやうつねのごとくと御/書付(かきつけ)候へはいかにもつ ねの鋳五徳(いことく)の。なべ屋のごとくを用(もちひ)て。かぢやの打五徳(うちごとく)て 禁(きん)じ申也。せんじ鍋(なべ)の事をば。何共御/書付(かきつけ)なく候へとも 是/程(ほど)のしやうかなれは。大かた是かよからんとかんがへ弐 升入のやくわんにて。せんじのませんと仕れど。一/口(くち)もたべ られねば。先(まつ)指置(さしをき)て煎茶(せんじちや)に。みかんの皮(かわ)とくろまめと さんせう四五/粒(りう)くわへつゝ。せんじてのませ候へばすきと 本腹(ほんぶく)せし故(ゆへ)に。使(つかい)はしんじ申さぬ也。先/是(これ)までの御 いで。御/大義(たいぎ)【太】千万(せんばん)祝着(しうちやく)申て候也。俄(にわか)事なりやほた餅(もち)は ならぬ。なすび付くふて御/茶(ちや)参(まい)れとそ申ける。木斎 心に思ふ様(やう)物には吉凶(きつきやう)有/物哉(ものかな)薬(くすり)の銘(めい)にひをうた れ。心にかゝりさふらひしが。あんにたがはず病家にて 間違(まちがい)出来(いてき)侍る也。爰(こゝ)は釘(くぎ)の打所と立とゞまりて申 やう。せいもんそおやくしぞ。一ふく三分くすりそや。なすび づけでは絵(ゑ)がとけぬと。ことはりてこそ帰(かへ)りけり