翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 58

ページ: 58

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をとげ忝がり申べしとのべければ。木斎きかれで。わ れ遠路(ゑんろ)へ行ば。当地(とうち)の病人に。疎(うとく)成候へとも。きゝ およびて。はる〳〵迎(むかい)をたまはる上は。最上川(もかみかわ)にはあら ねども。いなにはあらじ此月計は。何(なに)かくるしかるべ き。来に人こすにもあるまじとて。駄馬にうち のり。目玉之助一人めしつれ。使(つかい)の者(もの)の案内(あんない)にまかせ 行ければ。程なく彼宅(かのたく)につく。居体(いてい)を見れば。お びたゝしくて。長者殿(ちやうしやとの)とも云つべし其名を水(みつ) 沢鴨(さわかも)左衛門と云もの也。木斎へ対面(たいめん)して。はる〳〵御 来臨(らいりん)忝奉存候。扨/貴老様(きらうさま)を招(まね)き申事。別(べつ)の儀(き) に御座なく候。わたくし持病(ぢびやう)に寸白(すんばく)御座候を数(す) 年養性(ねんやうじやう)ゆたんなくいたし候へとも治(ぢ)する事なく。めい わく仕候。此上は偏(ひとへ)に御療治(ごりやうじ)をたのみ入奉ると申せば 木斎きかれてさても〳〵御/仕合(しやわせ)かな。それこそ 我家(わかいへ)の療治(りやうぢ)にて侍る心やすかれ。早速治(そうそくぢ)して まいらせんとて。からしを取よせ。すりばちにてすら せ。まづ〳〵是を。ひたものしよくしゐへ。よき時分を見 合。加減(かげん)の薬(くすり)をまいらせんとあれば。好物(かうぶつ)ならねど おしへにまかせて。昼夜(ちうや)をかきらずつゝけて半月(はんげつ) ほどもたへければ。けつ〳〵常(つね)よりも。つよく 寸白虫(すんはくむし)さわぎ立(たて)て。絶(たへ)入なんとする事。度々(たび〳〵) 有しが。こと〳〵くきんへさがりて。しむるによりて