翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 62

ページ: 62

翻刻

婬乱(いんらん)にてわつらひければ。いろ〳〵補(おきない)て漸(やう〳〵)治(ぢ)しける とき。木斎狂歌をよみて送る  養性(やうじやう)は美服(ひふく)の厚着(あつき)大/酒(さけ)や先第一に夜事つゝしめ 梶右(かじゑ)衛門は深川(ふかかわ)にて舟歌(ふなうた)数年/聞(きゝ)しより外は なけれ共  養性の内(うち)ならばこそあしからめ。そは何(なに)かわくるしかるへき と口にまかせて返歌(へんか)せしは遊/山(さん)舟のうたひのそ とわ小町きゝ覚へし故成べし。かくのことくたがひに よみて無二の知音(ちいん)となりし程に。或/時(とき)梶右衛門。咄(はなし)のつ いてに申せしは。木斎様の御/作(さく)意数/年(ねん)見申候に 奇妙千万(きみやうせんばん)成事ばかりにて侍る。是を病功(びやうこう)とや申さん といへは木斎いかにも病功と云事も有儀也た とへは馬をのりならふに鞍掛(くらかけ)にていひこして 本の馬にのるに木馬とは文字にては一/点(てん)の有無 の違計(ちがいはかり)にてのり心は各別の所有かことしされ 共心入によるべし。一年の功が。十年にもむかふも 有十年か一年にむかはさるも有へし。病功は 覚へすして。意(こゝろ)の働(はたらき)とはなるべし先輩(せんはい)の云く 病功は米を精(しゝぐ)るがことし一粒〳〵に杵(きね)はあた らねと白/米(まい)と成かことしといへり。我も十五歳ゟ 医(い)に心さし侍るか貧(ひん)成まゝ。はやく食のたねにも と思ひ。二十三四歳まで二/蔵(そう)三蔵/棒(ぼ)手ふり等に