翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 63

ページ: 63

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薬をあたへ。いかほとの人をか殺(ころ)しけん其(その)因果(いんくは)や らは。終に上手とならす。むく犬の年老(としをい)たるやうに 次(し)第に闇のやうになりて。病人を見るたひことに ふかひけが付て。初て知人になるがことくにて いつもこまるばかりそ。それゆへきのふけふのいしや にも。数度/仕負(しまく)る事有也。左あれは自慢の覚へ 露(つゆ)程もなし。且前(かつまへ)のりやうちか。すぐにならぬ 病に新久(しんきう)有。年に老若(らうにやく)有。病者(びやうしや)に虚実(きよしつ)有時に 寒暑有。土地(とち)にも東西(とうさい)のかわり有。持病を兼 ると兼さると有。一やう思ふ事を膠(にかわして)_レ柱(はしらに)皷(くすり)_レ瑟(しつを)と云 り。一度調子にあいたかとて。柱(はしら)を膠(にかわ)にて付て何/歌(うた) にてもあはせんと云かことし。只昼夜(たゞちうや)病人の工夫(くふう)有 度(たき)事也と。申さる時。又問ふ病人は薬を。はやくかへ たるかよく候や。一人のいしやに。いつまても懸(かけ)たるか よく候也。答云それは病症により候也古しへの 明(めい)医の療治(りやうぢ)にも。二十剤三十剤にて愈るとある 医按(いあん)おほし。一/剤(ざい)を十ふくにしても二三百服に もあたらんかやうの病人はやくかへてはよからんや 又一ふく二ふくの内に験(けん)がなくてかなはぬ症(しやう)有。そ れをうか〳〵としてよからんや。薬をかへて利を 得しひと人は。ひたとかへ。人にもかへよと異見云又薬 かへす利を得れは。何としてもかへす。かゆると