翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 70

ページ: 70

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 入相の。武士(ぶし)せし時(とき)も暮(くら)しかね。日の出のいしやも夜 はあけぬなり とよめり。さても入相に暮しかね 日の出に夜のあけぬは。よくも取あはせたりとて きく人わらひけると也。孟子(もうじ)に有ごとく。無(なきは)_二恒産(つねのさん)_一/無(なし)_レ恒(つねの) 心とて。口過かなければ。余程志(よほどこゝろさし)有人も。世間なみに ならん。然れば志有人の。冨ぬこそ笑止(しやうし)なれ。とま ねば何としても。能(よき)薬もつかわるまじ。されとも慾(よく) 心ふかき人が。金をたむるを第一とせば。千金/万(まん)金 畜(たくは)へても。持程薬のよきはつかふまじ。医師(いし)を医/士(し) 共/書(かく)なれば。俗性(ぞくしやう)は何にもせよ。医士とならば皆 みな士たるべし。士の本/意(い)は勇(ゆう)也。中/庸(よう)に。知(しるは)_レ恥(はぢを)。/近(ちかし)_レ勇(ゆう) とあれば。人々我か心にかへり見て。恥をしらば。上々 のいしやと云つべし。又医者不_二 三世_一は不_レ服(ふくせ)_二其薬_一と云 なれば。代々医家がよからん事なれ共。子の器/量(りやう)が おろかにて。役(やく)に足々ぬも有べし。又親が愛(あい)に溺(おぼ) れて教訓せぬか。或は教訓するといへ共親が隙(ひま)がな くて。そこ〳〵にそだてば。勤は希(まれ)にて。遊ぶはおほく。親 の畜(たくはへ)たる財(ざい)宝は。悪事につかひすておやの名をかりて いしやとはなれ共。父に劣(おとる)も有事也と。申さるれは 福右衛門/重而(かさねて)問ふ。上手は如何やうにして出来申さん や。木斎/答(こたへ)て。それは我等ごときが。不(さる)_レ知(しら)事なりもし ねがはんならば先一家の師とも。なりたまふ人は