翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 77

ページ: 77

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よろこぶ。勿論(もちろん)木斎は。一/廉(かど)の礼/式(しき)をうけ侍りける 然所に霊厳島(れいがんしま)に。最上牢人(もがみらうにん)/照井(てるい)太郎右衛門と云 人。金銀/沢山(たくさん)もちて。家(いへ)や敷を求(もとめ)。借(かし)屋/借蔵(かしぐら)。おほく 立(た)て諸商人にかし。又は質物を取。金銀米銭をかし て。その利足にて妻子一族。其外大勢の家人眷 属を扶持してくらす人有。おてると云てひとり息女 をもたれけるが。みめかたち諸人にすぐれ心さか〳〵し く。あいきやうありて。父母のてうあひはなはたし しかれども。いかなるいんぐわにや。女根なくしてわづか に。尿の通る小穴錐もみの跡のやうなるが。只壱つ 有ければ。いか成方へも送るべきやうなくて。年 月をかさねける程に歌(うた)の文字(もじ)数とひとしくなれば 世人異名(せじんいみやう)を付て今小町といへり。父母かなしき事に おもはれけれどもぜひなく打過(うちすぎ)たまひぬ。いか成つてにや とうがね屋の一子。木斎の療治(りやうぢ)にて本ぶくのよしを きゝおよばれ茂兵衛方へ。いまた御/意(い)は得ざれども貴殿(きでん) の御一子は木斎さの御療治にて。ほんぶく有と承(うけたまは)りお よびたりねかわくは。木斎さへ御申つたへて。此/散人(さんじん)方へ 御引付たまはり候へと頼ゐへば。やすき程の御事とて 則(すなはち)木斎方へ。かくと申つたへければ。木斎/使(つかい)とつれて 照井殿(てるいどの)へ参らるれば。夫婦の人出向。遠路(ゑんろ)御/越(こし)忝奉 _レ存候。先(まつ)こなたへとて。上座(じやうざ)にしやうじ。さま〴〵もてなし