翻刻
【右丁】
其外何れの所にも卸候筈のもの一人も無御座候船は直に本国へ罷帰候
尤此以後跡より参候もの申合不仕候日本に【二字抹消】止り罷在候ても本国へ通
路の儀曽而申合不仕候よし答申候事
一尋申候は其方乗来候船はろうまの惣司より仕立遣候哉又便舟を頼み
参候哉異国人答候は右乗来候船并に北京へ参候船共にふらんす国の船にて
御座候ふらんす国の義宗門一派の国にて御座候に付ろうまの惣司申付に
て日本北京へ宗門勧のため参り候よし申候故同宗の者の儀に候間
船水主共に賃銀と申儀も無之送越申候由答申候事
一又尋候は其方より以前にも日本へ宗門勧のために差越候者も有之
候哉左様之手筋を以此度も其方壱人差遣候哉相尋候得は異国人
答申候は某より以前に日本へ渡海いたし候もの一人も無御座候何 ̄ン の手筋
も無之日本の内いつれの所へなりとも揚り宗門を弘め候様にと惣司申付候
由答申候事
【左丁】
一又相尋申候は其方江戸へ参度由長崎え参候儀は嫌申候段如何様之わけに候哉
異国人答申候は本国惣司申付候節も江戸へ罷越候様にとも不申付候長崎の
義は阿蘭陀人罷在候段及承候本国にては敵国にて御座候江戸の儀は呂宋国
に日本人も罷在日本の様子書記候書物も御坐候に付及承江戸と申儀も
存し候由答申候事
一亦尋候は其方日本言葉を間々に申候何方にて日本言葉相習候哉
異国人答申候は六年以前惣司より日本渡海之儀被申付本国の
言葉にては通用成かたくゆへ日本言葉を書記し候書物にて申なら
ひ候よし答申候事
一又尋申候は其方屋久島へ揚り候時より以来日本人え宗門の咄をいたし
勧め候哉日本人に何にてもとらせ候哉異国人答候は屋久島より爰
元へ参り候まての内日本人え宗門の儀も申遣候得共言語曽て
通し不申候ゆへ一言も聞入不申屋久島にて水を呑せ人家へ召連