翻刻
【右丁】
其例諸国通称の所にも同断也日本の地に於ても棹同樟脳等之品
私に不可求之事専一たり
一細工物或は翫ひもの類其外何品によらす為商売持渡たるものを
船に隠し置べからす船より隠しもち越べからす元より又隠し商ふへ
からす既にゑる所は先年抜荷の事有て及露顕右所行之日本人は
戒として罪科に行れし事あり殊に近年厳敷厳密になるにより
若如此ありてコンハニヤ商売の妨とならんも計るへからす故に更
に是を示諭す犯の輩あらはをこたらす 咬𠺕吧【注】に遁し所厳科べ
き也且又本船の往来には身体を探る各是を是とすべし
一日本人の釼戟并白銀其外前々長崎奉行所より停止有之品々必
しも貯持帰国すへからす若犯ものあらは咬𠺕吧にて可処罪科
也
一日本人と私に金銀を貸借すべからす則前々長崎御奉行より
【注 カルパ=ジャガタラ】
【左丁】
も同前之命あり若犯者ありて日本人を罪科に行はれて於
咬𠺕吧も罪科たるへし
一コンハニヤ荷物の内殊には箱櫃等の類其外何品によらす猥に
披ことを許さす前々密に披て私の荷物入置探場におゐて露顕
したる事あり若犯ものあらは其人を撰はす即時に械に入置
き 咬𠺕吧裁断所え引渡し科の軽重によりて罪せらるへし
荷物は少したりともコンハニヤ所得たるへし
一出島内におゐて釼刀を帯すへからす格別の土地なれは和談に
して面々禍なからん歟ため也且又蔵々の封印部屋〳〵の
門戸の錠を破壊すへからす塀墻を越へからす平日出島住居
の輩は勿論臨時船より下り居候ものたりとも日雇人夫の盗をさゝ
ゑん為として刃を持へからす若犯の輩あらは即時に械に入置 咬
𠺕吧裁断所へ引渡科の軽重に随ひ相応の罪科に処すへし