← 前のページ
ページ 112 / 131
次のページ →
翻刻
故に傷寒(しやうかん)熱病(ねつびやう)瘡腫(そうしゆ)の類(るい)には忌(いむ)べし
一 鯉(こひ) 川魚(かわうを)の長(ちやう)たり咳逆(がいぎやく)上気(ぜうき)黄疸(わうたん)を治(ぢす)腹中(ふくちう)を安(やす)
んず○水気(すいき)を通(つう)する事は鯉魚(りぎよ)煎(せん)にしくはなし
されども至極( ごく)の満腫(まんしゆ)にいたらざれば功(こう)なし其(その)
法(はう)一尺(いつしやく)斗(はかり)の鯉(こい)なれは山(やま)出(だ)しの昆布(こぶ)一尺斗入水
一 升(しやう)入て煮(に)つめて四合斗に煮(に)とり其(その)汁(しる)を服(ふく)せ
しむ○乳汁(にうじう)を通(つう)ずるには小鯉(こごひ)を味噌汁(みそしる)にて食(しよく)
せしめて妙(めう)なり○腹中(ふくちう)癖塊(へきくわい)の諸病(しよびやう)に膾(なます)にして
食(しよく)すれば甚功あり
一 鯽魚(ふな) 中(うち)を調(とゝの)へ気(き)を下(くだ)し虚羸(きよるい)を補(おきの)ふ一切(いつさい)腹(ふく)
中(ちう)調(とゝな)はさるに味噌汁(みそしる)に和(くわ)して食(しよく)せしめてよ
し○夏月(かげつ)実症(しつしやう)なる痢疾(りしつ)には始(はじめ)に鮒膾(ふななます)を喰(くら)ふべ
し大(おゝい)に穢悪(ゑあく)の毒(どく)をさりてよし但(たゞ)し初症(しよしやう)にみそ
汁(しる)は忌(いむ)へし○水腫(すいしゆ)脹満(ちやうまん)に大(おゝ)鯽魚(ふな)の腸(ちやう)をさり赤(あ)
小豆(づき)を入(いれ)て山(やま)出(だ)しこんぶにてかたくむすひ能(よく)
々( よく)煮(に)つめて小豆(あづき)を取出(とりいだ)し喰(くらは)しむれば利水(りすい)の功(こう)
鯉魚湯(りぎよとう)に勝(まさ)れり蘇沈(そちん)良方(りやうはう)に出(いで)たり試(こゝろみるに)功(こう)尤 著(いちじる)し
一 海鰻鱺(はも) 皮膚(ひふ)の悪瘡(あくそう)疥癬(かいせん)を除(のそ)く大小便(だいせうべん)を通(つう)す
五痔(ごぢ)頑癬(くわんせん)一切の湿症(しつしやう)手足(てあし)痺(しび)るゝを治(ぢ)し妊婦(にんふ)食(くら)へは胎(たい)
を安(やす)んず○干鱧(ひばも)湯(ゆ)にせんじて小児(せうに)を浴(よく)すれは痘(とう)