翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 123

ページ: 123

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 によく肥(こへたる)人は食ふ事なかれ 一 豕(ぶた) 同上○豕脂(まんてんか) 華人(くわじん)は何にても調味(てうみ)の品(しな)に  用ゆ腸胃(ちやうい)を利(り)し小便(せうべん)を通(つう)し五疸(ごたん)水腫(すいしゆ)を除(のぞ)き髪(かみ)  を生(しやう)す○按するに鹿豕(しゝぶた)は華人(くわじん)の常食(じやうしよく)にして其  補虚(ほきよ)の功(こう)も甚(はなはだ)つよく吾邦(わかくに)諸(しよ)獣肉(ぢうにく)を忌憚(いみはゝかり)りて食  せさる事 多(おゝ)し此(この)禁(きん)は古(いにしへ)への書(しよ)には見へず延喜(ゑんき)  式(しき)なとには祭祀(さいし)に獣肉(ぢうにくを)用る事 数多(あまた)あり然ると  きは忌(いま)ざる事 明(あきら)かなり然れ共 日本(につほん)は海(うみ)多くし  て海魚(かいぎよ)の美味(びみ)を食(くら)ふによりて穢物(ゑぶつ)と心得(こゝろゑ)て食  はさる事習ひとなりて異食(いしよく)とするも宜(むべ)なり是(これ)  又 惑(まと)へるなりと弁(べん)する人も多(おゝ)くあれとも元来(くわんらい)  土地(とち)相応(そうおう)の食(しよく)にあらず且(かつ)畜類(ちくるい)は人類(しんるい)に近(ちか)くし  て残忍(さんにん)の所為(しよい)にも見るへけれは君子(くんし)に於(おい)ては  取(とら)ざる所(ところ)ならんか是(これ)則(すなはち)吾邦(わがくに)清潔(せいけつ)を好(この)んて神明(しんめい)  を尊(たつと)むの意(こゝろ)なるときはたとひ忌(いま)すとも常食(じやうしよく)と  すへきにあらず故(ゆへ)に病(やまひ)により性(せい)によりて餌食(くすりぐい)  とする事は宜(よろ)しとすべし 一 猪(いのしゝ) 癲癇(てんかん)を治(ぢ)し肌膚(きふ)を補(おきの)ふ五臓(ごぞう)をまし人をし  て肥(こへ)しむ○腸風(ちやうふう)瀉血(しやけつ)久痔(きうぢ)の類(るい)に喰(くら)ひて妙々(めう〳〵)な  り