翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 15

ページ: 15

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 の外に求(もとむ)る道なく修(おさむる)_レ道(みちを)の外に養生なしと思ふ  べし是(これ)我(わか)人に養生(ようじやう)を勧(すゝ)むるの根本(こんほん)なり 一 父母(ふぼ)唯(たゞ)其(その)疾之憂(やまひをうれふ)と論語(ろんご)にも説(とき)給へりしかれは  己(をのれ)か身(み)の養生して長生(ちやうせい)するは是第一の孝行(かう〳〵)也  己か行跡(ぎやうせき)の慎(つゝし)み悪敷(あしき)よりして思ひ寄(よら)ざる辱(はつかし)め  を人に受て争論(そうろん)の事なと出来(いでき)てそれにて大に  苦労して病(やまひ)を生する輩(ともから)少(すく)なからす或(あるひ)は一朝(いつちやう)の  怒(いかり)りに其身(そのみ)を忘(わす)れて打撲(うちみ)なとして病を生する  事あり或は飲食(いんしよく)節(せつ)をうしなひ起居(ききよ)時(とき)ならすし  て縦飲(ぢういん)に夜(よ)を明(あか)し飽肉(ぼうにく)に日を送(おく)りなとして病  を生する事あり或は青楼(ちやや)花街(くるわ)に身を委(ゆたね)湿毒(しつどく)を  うけて不治(なをらざる)の難病(なんびやう)となる事あり是皆 孝行(かう〳〵)に背  き遂(つゐ)に生(うま)れつかさる廃人(かたわ)となる輩(ともから)あり是 等(ら)は  父母(ふぼ)存生(ぞんじやう)の内ならは大に憂(うれい)とする所なり聖門  の人に養生を教(おしゆ)ること大なる哉 深切(しんせつ)なる哉 一 道(みち)は迩(ちかき)にありて遠(とふき)に求(もと)むと聖語(せいご)にも述(のべ)給ふ実(まこと)  なるかな我身(わがみ)を養生して大切(たいせつ)に守るよりちか  き事あるべからす然るを麁略(そりやく)に取扱(とりあつかひ)して外の  道(みち)を求るは譬(たとへ)ば正直(まつすぐ)なるちか道をすてゝ曲(まが)りたる  廻(まは)り道を求(もとめ)て道を行かことし