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しなひて陽気(やうき)を折(くじ)かぬやうにいたし冷物(れいふつ)を食(くら)
はすして脾胃(ひい)の気を順らし腹内(ふくなひ)を損(そん)ぜぬやう
に心得べし秋(あき)は初(はじ)めの程(ほど)は陽気 収(おさ)まらんとす
る勢(いきほ)ひにて湿熱(しつねつ)の気 甚(はなはだ)しく別(べつ)して堪(たへ)かたし故
に世上(せぜう)に病(やまひ)盛(さか)んに行(おこなは)るゝ時なり謹(つゝし)んて保養に
心を用ひみたりに生(なま)なるもの冷(ひへ)たるものを食はす涼風を
取過(とりすこ)さぬやうにすへし梧桐(きり)の一 葉(は)落初てより
少し冷気を催し天地(てんち)収斂(しうれん)の時節になれは専ら
心気(しんき)をはせつかはぬやうにして肺気(はいき)を収(おさ)めす
べて逆上(ぎやくじやう)すへき所作(しよさ)をせぬ心得にすへし冬(ふゆ)は
万物(ばんぶつ)伏蔵(ふくそう)の時節(じせつ)なれは別して風寒をさけ蟄伏(ちつふく)
するの心得にして漫(みだ)りに陽気(やうき)を動(うごか)す事なかれ
あまり暖(だん)をとり過て火炉(こたつ)にあたり汗(あせ)なとする
事大に忌べき事なり尤 腎気(じんき)を動す事冬月はふ
かく禁すへし夜中火炉に寐(ね)る事は大に気(き)を内
消して害あり上部に病ある人は盲聾(めくらつんぼ)に至る事
もあり大に恐るへし老人(ろうじん)なと陽気(やうき)乏(とぼ)しくして
冷(ひへ)にたへかね熟寐(ねいる)事なりかたきやうならは別
に火桶(ひおけ)の類に少(すこし)火(ひ)を設けて脚(あし)の辺に置へし是
は害なし若きものは寐る前にしはらく火炉(こたつ)に