翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 19

ページ: 19

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 あたりて早々臥すべし火桶(ひおけ)を用ゆるもあしゝ  かくのごとく四時(しいじ)に従ふて養生(やうじやう)するときは自(し)  然(ぜん)の示しみあり是を生楽(せいらく)と云心気を労動(ろうどう)せす  して長生(ちやうせい)するの術(じゆつ)なり 一養生は寡欲(くはよく)にしくはなし寡欲(くはよく)とは諸事の望(のぞみ)を  すくなふして何事も天に任(まか)せてしゐて求めさ  るなり己か及はぬ事を望むときは心気いたつ  らに労(ろう)して其 功(こう)なし鵜(う)の真似(まね)をする烏(からす)と云に  同し鵜(う)も烏(からす)も黒(くろ)き物なれとも水に入りて功(かう)を  なす事あたはす故に鵜(う)は鵜(う)烏(からす)は烏(からす)の本分を守  りて居さへすれは無難なり人も銘々(めい〳〵)才智(さいち)ある  者もあり力量(りきりやう)あるものもあり各々己か才の長(ちやう)  短(たん)にしたがい己か分限(ぶんげん)の軽重(けいぢう)をはかりて其余  は天命(てんめい)に打任(うちまか)せて寡欲にして正路(しやうろ)に家業(かげう)を出(しゆつ)  精(せい)するときは少しも天と人とに愧(はづ)る事なく愁  へ苦しむ事なしやす〳〵と生を全(まつと)ふするの良  術を得るなり 一当時太平の御代久しく打続き人皆 堯舜(けうしゆん)の化(くわ)に  浴(よく)するかことくなるへきに今時の人は人欲の  甚しきよりして古への敦朴(しゆんぼく)の風俗次第にうす