翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 23

ページ: 23

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 無益(むやく)の動作(どうさ)多くして修_レ身養生の主意に違(たがふ)へし 一近来 黴(しつ)瘡毒(どく)の病 流行(りうこう)して年 若(わか)き者は感(かん)せさる  人なく此 病(やまひ)療治(りやうじ)を疎(おろそ)かにするときは遂(つい)には生(うま)  れ付ざる廃人(かたわ)となり或は目(め)耳(みゝ)を損(そん)し顔容(かたち)も頽(くづれ)  て人に交(まじは)りかたく見苦(みぐる)しき姿(すかた)となる者 数多(あまた)あ  り此病(やまひ)を煩(わつら)ひて身体(しんたい)髪膚(はつふ)を損(そん)すれは不孝(ふかう)の第  一となる始(はしめ)より養生を主として身を慎(つゝし)み飲食(いんしよく)  を節(せつ)にし淫婦(いんふ)に交らす花街(ちやや)に身をゆたねす大(たい)  切(せつ)に身(み)を持(もち)寒暖(かんだん)の身に叶(かの)ふやうにして朝(あさ)は早(はや)  く起(おき)て陽気を塞(ふさ)かす夜は亥の下刻に臥して陰(いん)  気(き)を閉(と)ち昼(ひる)の内(うち)は天気に順(したが)ふて 己(おのれ)か所業(しよぎやう)を専  一につとめ上を犯(おか)さす下を憐(あわれ)みすこしも私心  を用ひす正直(まつすく)正路(しやうろ)に出精(しゆつせい)して身持(みもち)堅固(けんご)なると  きは此病を生するの因縁(いんねん)なくたとひ父母(ちゝはゝ)より  伝(つた)ふる遺毒(たいどく)ありともかく堅固(けんご)に身を養へは少  しの病きさしても至(いたつ)て軽(かろ)し故にこの病の生(しやう)ぜさ  るやうに養生(ようじやう)を主とするときは則(すなはち)聖人(せいじん)の道に  叶(かな)ひ且(かつ)は公儀(こうぎ)の法度(はつと)に背(そむ)かす家(いへ)富(と)みて乏(とぼ)しか  らすかく心得れは養生の道は則 天理(てんり)の公(おゝやけ)にし  て修(おさめ)_レ身(みを)斉(とゝのへ)_レ家(いへを)治(おさむる)_レ国(くにを)の道も皆(みな)別物(へつもの)にあらす 【虫損部は筑波大学附属図書館所蔵本を参照 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100271648/viewer/24】