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一 禅家(ぜんか)に座禅(ざぜん)する事も必竟(ひつきやう)養生家 煉臍(れんさい)の術(じゆつ)にし
て気を丹田(たんでん)に納(おさ)むるときは物に驚(おどろ)かすさわか
す事々物々に応(おう)して用をなすの術(じゆつ)なり道家(どうか)の
玄味(げんみ)の理も是(これ)外(ほか)の事あるべからす仏家に養生の
本体を無量(むりやう)寿仏(じゆぶつ)と称し医家(いか)に上古(せうこ)の真人(しんしん)と称(しやう)
する事 皆(みな)同物(おなじもの)にて養生の本体(ほんたい)を尊(たつと)んて号(ごう)する
なり此本体を腹中(ふくちう)に安置(あんち)して事に蒞(のぞ)むときは
たとひ敵軍(てきぐん)数万騎にて押寄(おしよせ)せたりとも少しも
ひるむ事なく大火に入りても焼ず大水に入り
ても溺(おぼ)れすいかなる災厄(わさわひ)にあふとも心(こゝろ)を動(うごか)す事
なく常々安らかに平らかに無物(むぶつ)世界(せかい)になりた
る所を仏家に金剛(こんかう)不壊身(ふゑしん)と云て尊(たつと)む是則養生
全徳(ぜんとく)の人と仰れ尊むへし