翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 26

ページ: 26

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 書の旨は己か心を医すると云事なり凡 医(い)とし  ては先心の中に病なくして少しの曇(くもり)りもなく  明に虚霊(きよれい)不昧(ふまひ)ならされは病を診(しん)することあた  はす故に先 鍼術(しんじゆつ)に於て修心(しゆうしん)の術(じゆつ)を求るを先務(せんむ)  とす 一凡人を療(りやう)するに鍼(はり)に宜(よろ)しき病あり灸(きう)に宜しき  病あり服薬(ふくやく)に宜しき病ありまた三法 兼行(かねおこなは)され  は治(ぢ)しかたき病あり医もまた尽(こと〳〵)く其術を兼行  ふときは却て粗術(そじゆつ)にもなるへき理ゆへに各 専(せん)  科(くわ)を立て行ふなり然れとも医たる者 尽(こと〳〵)く其道  理は究(きわめ)め置すしては叶(かな)わぬ事なり病に臨(のぞ)んては  其道の妙手をゑらんて用へきなり 一古へは鍼に補瀉(ほしや)迎随(けいずい)の法正しく備(そな)りてあれは  鍼(はり)にて万病を治(ぢ)する事ありとみゆれとも後世(こうせ)  にては其法 委(くわ)しからさるに似たり故に積聚(しやくじゆ)痃(けん)  癖(へき)諸(もろ〳〵)の形(かたち)あるの諸病を瀉(しや)するには針(はり)に宜しく  して補虚(ほきよ)内症(ないしやう)不 足(そく)よりをこる虚(きよ)病の類には先  針にては功用(こうよう)うすかるへき歟 一 鍼(はり)するに古(いにし)へは九鍼(きうしん)とて九通(こゝのとふり)の法あり其法今  にいたりてはこと〳〵く存(そん)せす其似(に)よりたる法