翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 29

ページ: 29

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 の針灸(しんきう)の書には此孔穴は三分或は五六分なと  とありて一向に浅刺(あさくさす)なり今を以て見れは解(げ)を  さる事なり予も少年の時針に心を用て見たり  しに能 腹底(ふくてい)の積塊(しやくくわゐ)をときて陽気(やうき)を致すことは  二寸以上も毫針(ごうしん)にて深(ふか)くせされは効を奏する  ことあたわす浅(あさく)刺(さす)は只気を順(は)らすはかりの術(じゆつ)  なり深き病を治する事あたはす故に毫針(ごうしん)の妙  手は深く刺(さす)を尊ふべし 一鍼して出血(しゆつけつ)する事 至極(しごく)大病(たいびやう)を愈(いや)すこともあり  て誠に良術(りやうじつ)と云べしさりなから人によりて相(そう)  応(をう)すへき人には施して其効あるべし全体(せんたい)稟賦(むまれつき)  多肉(たにく)にして面色(めんしよく)黯黒(あんこく)瘀血(おけつ)あるへき人 気性(きしやう)丈夫  にしていかにも病(やまひ)に堪へき人なとには施(ほどこ)して  利あるへし稟受(むまれつき)痩弱(そうじやく)にして面色(めんしよく)萎(い)白なる人に  は相応(そうおう)しがたかるべし但し小児の丹毒(はやくさ)なと面  色 俄(にわか)に朱(しゆ)をぬるかことくなりたる者或は一身  むら〳〵と紅紫(あかむらさき)の班紋(はんもん)あらはれたることき者  は頃刻(しはらく)の間に命(めい)を失ふ事あり急卒(きうそつ)に医をまね  くといへとも入来の遅滞(ちたい)もあれは俗人といへ  とも針か剃刀(かみそり)にても早速(さつそく)に毒色のある所の血