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一(いち)の良術なり故に内経にも導引按蹻は中央の
国より出たる治術とて尊ふ所なりしかし近来
医道の賤職(せんしよく)のやうになりて是を行ふもの其術
を精(くわ)しく択(ゑら)はすいたつらに鹵莾(めつた)の一伎(いちぎ)となり
たり医たる者たとひ其身に行すとも心掛て置
へきの一伎なり是も其人の強弱(きやうじやく)によりて緩急(くわんきう)軽(けい)
重(ぢう)の差別(しやべつ)して行ふへき者なり
一凡そ人身は陽気の生々(せい〴〵)するの理を尊(たつと)む故に運(うん)
動(どう)止(やま)されは病生する事すくなし陽気いさゝかも
滞(とゝこふ)るときは病生す古へ華陀(くわだ)か五禽の戯(たはむれ)と云も
按摩(あんま)の一 術(じゆつ)にして陽気を順らす工夫なりまた
張介賓(ちやうかいひん)か自身(じしん)按摩の法あり何れにも按術は一
身所として手の行さる所もなく陽気を遍身(へんしん)に
満(みた)しむるやうにして順らするを要とすへし
一 平日(へいじつ)働(はたら)きつよくして陽気(やうき)よく順る人は按摩(あんま)す
るに及ばす無事(ぶじ)なるときに毎々 按術(あんじゆつ)をさせる
時は後には癖(くせ)になり各別(かくべつ)に効もなくなるもの
故に堪忍(かんにん)なるへき程(ほど)は用ぬもよきなり
一 按腹(あんぷく)の術上古の書には見へぬ事なれども中古
以来 腹診(ふくしん)の法と按腹の術とは追々(おい〳〵)精(くわ)して其妙