翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 45

ページ: 45

翻刻

 し火(ひ)にてあぶりみの紙(かみ)にてころ〳〵細長(ほそなが)にまき  一方(いつほう)はすじかひに切(きり)一方(いつほう)は正直(まつすぐ)にきりて置(おき)そ  れより紙(かみ)をはらひ器物(うつわもの)に入置(いれおく)時(とき)はもゝけずこ  れをとりて正直(まつすぐ)に切(きり)たる方(かた)を灸点(きうてん)にあて火(ひ)を  付(つけ)るときは其痕(そのあと)大(おゝひ)にならすして正(たゞ)しくなりて  よし此法(このほう)は熱(あつ)くともこたへよくして大(おゝひ)によし  必(かならず)是(これ)を用(もち)ゆべし世(よ)に薬艾(くすりもぐさ)と云(いふ)て樟脳汁(しやうのうしる)硫黄(いわう)な  とを入(いれ)て艾(もぐさ)を作(つく)りすへる人(ひと)あり是(これ)は宜(よろ)しから  ず必(かならず)忌(いむ)べし 一 凡(およそ)一切(いつさい)の急卒(にわか)の病(やまひ)中寒(ちうかん)中暑(ちうしやう)霍乱(くわくらん)卒中風(そつちうふう)或(あるひ)は急(きう)  腹痛(ふくつう)何(なに)にても人事(ひとこと)をかえり見ず急(きう)にとりつめ  引付(ひきつけ)たるには医人(いじん)を招(まね)き遣(つかは)すとも急卒(にわか)には来(きた)  らさる時(とき)は先(まづ)大艾炷(おゝもぐさ)を以(もつ)て臍中(ほそのなか)にすへてよく  夫(それ)にても応(おう)ぜざる時(とき)は足(あし)のうらの土(つち)ふまず大(たい)  指(し)次指(つぎのゆひ)の間(あいだ)を押而(おして)行(ゆき)あたる所(ところ)あり是(これ)を涌泉(ゆせん)の  穴(けつ)といふ是(これ)に大艾炷(おゝもぐさ)にして灸(きう)してよし此法(このほう)大(たい)  人(じん)小児(せうに)婦人(ふじん)をきらはず何病(なにびやう)にても急卒(にはか)病(やまひ)には  用(もち)ひてよし扨(さて)中暑(ちうしやう)中寒(ちうかん)腹痛(ふくつう)下利(げり)の症(しやう)にして気(き)  を失(うしな)はざる者(もの)は臍中(さいちう)の大灸(だいきう)熱(あつ)きにたへざる者(もの)  は味噌(みそ)又(また)は塩(しほ)を臍(ほそ)の中(なか)にへつたりとつめて其(その)