翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 46

ページ: 46

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 上(うへ)に数百(すひやく)の灸(きう)してよし大(おゝひ)に良法(りやうほう)なり 一 世上(せぜう)に灸代(きうだい)とて薬墨(くすりずみ)を点(てん)する者(もの)あり或(あるひ)は漆(うるし)を  穴所(けつしよ)へさす者(もの)もあり点墨(てんぼく)の事(こと)は其家々(そのいへ〳〵)の伝法(でんほう)  もありて苦(くる)しかるましきなり漆(うるし)をさす事(こと)は病(やまひ)  を劫(おびやか)すの一術(いちじゆつ)にしてまゝ其効(そのこう)ある事(こと)ありとい  へども又(また)其/害(かい)甚(はなはだ)しき事(こと)もあり予 先年(せんねん)より漆(うるし)を  さしたる者(もの)其毒(そのどく)遂(つゐ)に内攻(ないこう)して遂(つゐ)に命(いのち)を失(うしな)ひた  るもの両(りやう)三人も見たり故(ゆへ)に先(まづ)は好(このま)ざることゝ  思(おも)へり 一 腫物(しゆもつ)類(るい)一切(いつさい)何(なに)にても膿(うま)ざる物(もの)も口(くち)のあかざる  物(もの)も痛強(いたみつよ)き物(もの)も蒜(にんにく)をすりて厚紙(あつがみ)に敷(しき)其上(そのうへ)へ艾(もぐさ)  を多(おゝ)くのせて灸(きう)するを蒜灸(にんにくやいと)といふ此法(このほう)膿(うま)ざる  者(もの)は能(よく)膿(うま)し口(くち)の明(あく)べき物(もの)は速(すみやか)に口(くち)を明(あ)け痛(いたみ)つ  よき物(もの)はよく痛(いたみ)をやむちらすべきものは速(すみやか)に  ちらす凡(およそ)一切(いつさい)の腫物(しゆもつ)に此法(このほう)にしく物(もの)はなし 一 諸(もろ〳〵)の痛処(いたみどころ)一切(いつさい)無名(むめう)の腫物(しゆもつ)結毒(けつどく)の頭痛(づつう)或は肩背(かたせなか)  の少(すこ)し腫(はれ)て痛(いた)む或は腹痛(ふくつう)脹満(ちやうまん)痔(ぢ)脱肛(たつこう)風毒(ふうどく)湿毒(しつどく)  にて腰脚(こしあし)の痛(いたみ)甚(はなはだ)しきに石蒜(まんじゆさけ)の根(ね)わさびおろし  にておろし厚紙(あつがみ)に敷(しき)其上へ艾(もくさ)を置(おき)灸(きう)すべし此(この)  法(ほう)蘭人(らんじん)専(もつはら)試用(こゝろみもちひ)て奇効(きこう)を得るの妙法(めうほう)なり