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とく群浴(くんよく)して其効(そのこう)を得(う)る事を聞(きか)ず日本国中(につほんこくちう)に
温泉(おんせん)の出(いず)る所(ところ)凡(およ)そ二百二三十 所(しよ)もあるなり中(もろ)
華(こし)の大国(たいこく)に比(ひ)してははるかに多(おゝ)くして且(かつ)名湯(めいとう)
も多(おゝ)けれは外国(くわいこく)の温泉(おんせん)よりは勝(すぐ)れたりとしる
べし
一 凡(およ)そ温泉(おんせん)は金銀(きんぎん)の気(き)硫黄(いわう)明礬(めうばん)の気(き)によりてな
ると云 説(せつ)あり華人(くわじん)の説(せつ)にも種々(しゆ〳〵)あれどども帰(き)一
の論(ろん)なし愚(ぐ)按(あん)するに金銀硫黄明礬(きんぎんいわうめうばん)の類(るい)は万国(ばんこく)
に勝(すく)れて日本(につほん)を上品(じやうひん)とする事 華人(くわじん)も論(ろん)せり自(し)
然(ぜん)と名湯(めいゆ)も多(おゝ)くあるべきの理(り)ならん歟(か)近来(きんらい)稲(いな)
若水翁(じやくすいをう)の説(せつ)に凡そ地中(ちちう)に水脈(すいみやく)と火脈(くはみやく)との二(ふた)す
しありて其(その)地中(ちちう)伏火(ふくくわ)のあるすじと伏水(ふくすい)のすじ
と行(ゆき)あひたる所(ところ)にあへばかならず温泉(おんせん)をなす
といへり是(これ)甚(はなはだ)卓見(たくけん)なれども必(かなら)ず其所(そのところ)には硫黄(いわう)
湯花(ゆのはな)の類(るい)を生(しやう)するなれはいつれ火脈(くわみやく)の醸成(かもしなし)し
て此品(このしな)を生(しやう)ずるものと見へたり華人(からのひと)も倭 硫黄(いわう)
とて吾邦(わかくに)の硫黄(いわう)をたつとむ事(こと)なれは温泉(おんせん)の勝(すく)
れるも宜(むべ)なるかな
一 温泉(おんせん)の甚(はなはだ)しきものを熱泉(ねつせん)と云 日本(につほん)にては越中(えつちう)
の立山(たてやま)加賀(かか)の白山(しらやま)なとにあるを地獄(ぢごく)といふ漢(から)