翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 50

ページ: 50

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 し難(かた)きにいたる 一 温泉(おんせん)を試(こゝろ)むるに味(あぢ)少し鹹(しほはゆき)者あり淡(あわ)きもあり甘(あま)  き物(もの)あり酸(す)き物(もの)あり渋(しぶ)きものあり苦(にか)き物(もの)あり  其匂(そのにほ)ひに硫黄(いわう)の気(き)あるものあり泥気(どろけ)あるもの  あり少しも臭気(しうき)なきもあり其色(そのいろ)は清白(せいはく)にして  鏡(かゞみ)のことく底(そこ)まてすき通(とふ)るものあり濁(にこる)るもの  あり黄赤色(きあかいろ)なるものあり先城崎の新湯(あらゆ)は少(すくな)し  塩気(しほけ)ありて色 潔白(まつしろ)にしてすき通(とふ)り硫黄(いわう)のにほ  ひ少(すこ)しくあり是(これ)をを最上(さいぜう)よしとす有馬の温泉(おんせん)  は塩気(しほけ)あり過(すぎ)て苦(にが)きにいたる茶色(ちやいろ)にして布帛(ぬのきぬ)  に染(そま)りて黄赤色(きあかいろ)になる是(これ)は鉄気(てつき)の化(くわ)する所(ところ)な  らんか故(ゆへ)に其功(そのこう)も大(おヽい)に劣(おと)れり其(その)他 泥気(どろけ)あるも  の或(あるひ)は異(こと)なる匂(にほ)ひあるものは論(ろん)するに及ばず  皆其次(みなそのつき)なるべし 一 俗(ぞく)に温泉(おんせん)を飲事(のむこと)は甚悪(はなはだあし)しと云事あり左(さ)にあら  ず此(これ)を飲(のみ)て腹中(ふくちう)煖(あたゝか)なるを覚(おぼ)へて瀉利(しやり)せさるも  のをよしとす此(これ)を飲(のん)て腹中(ふくちう)冷(れい)を覚(おぼ)ゆるものは  あしく箱根(はこね)の蘆湯(あしゆ)ごときもの城崎(きのさき)にても瘡(かさ)  湯(ゆ)の類(るい)は皆(みな)金石(きんせき)の冷気(れいき)をかりてなるものなら  ん故(ゆへ)に此(これ)を飲(のめ)は腹内(ふくない)冷(ひゑ)て乍(すなは)ち瀉下するなり決(けつ)